Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

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『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.265 負けた時が大事

[2015-08-06]

 経済産業省の政策評価調査事業として行われた「経済産業行政における組織マネジメントに関する調査」の報告書が送られてきました。これは経済産業省で働く職員一人一人が創造的な政策形成や執行に取り組んでいけるようにするための組織改革の方向性を検討するために行われた調査です。
 調査の一環として外部の学識経験者や実務家計9人へのヒアリングが行われ、私もそのひとりとしてヒアリングを受けました。私は相も変わらず現場力について話をしたのですが、私以外の8人の人選が秀逸です。
 コンサルタントや大学教授などに加えて、なでしこジャパンで主将を務めた宮間あやさんや神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャーの平尾誠二さんにもヒアリングを行い、その骨子が紹介されています。そして、その話が実に面白い!
 宮間さんはこう話しています。「死んでもいいという覚悟で試合に臨み、生きるか死ぬかの時に全力でぶつかり合い、先にどちらがボールに触るか一つで、自分の人生、自分の一生、仲間の一生が変わるので、そういうところでお互いが出し切るところは勝とうが、負けようがお互い同じであるので、対戦相手とも共鳴することができる。」
 なでしこジャパンの国際試合をTVで観戦すると、負けた相手をいたわる宮間さんの姿をよく目にします。自らの勝ちを狂喜乱舞するのではなく、負けた相手に心をくだく。相手に対するリスペクトがあるからこそできることです。
 そして、「負け」について宮間さんはこう指摘します。「負けるが勝ちと言うか、負けてしまって勝てることもある。負けなければ負けたものの痛みが分からない。負けた上で何ができるかを考えることで人間力が豊かになる。非常にパワーがいることであるが、人やモノにもっと優しくなれるチャンスである。負けた時を非常に大事にしている。」
 実に、深い言葉だと思います。人生はずっと勝ち続けることばかりではありません。うまくいかないこと、負けること、挫折すること・・・。でも、そういう時にどう考えるかが、人生を豊かなものにするかどうかの分岐点なのです。
 ラグビーの平尾さんの指摘にも頷かされます。「日本のスポーツチームにおいて、世界ランキング100位のチームを10位に引き上げるには、指導者が強権的に選手に指導して強化するのが一番早い。ところが、世界一になるには、選手の意思、判断力、創造性が不可欠だ。それらを涵養するには、個人の「成熟度」が必要であるが、日本人プレイヤーにはこれが足りない傾向があるように思う。」
 なでしこジャパンがワールドカップやオリンピックで連続的に決勝に進み、世界一を争うようなチームになれたのは、宮間さんのような「成熟度」の高い選手がいるからに他なりません。
私たちは「勝つ」ことの意味や価値にばかり目を向けがちです。もちろん「勝つ」ことは大事なのですが、「負ける」ことにも意味や価値があるのだということを改めて気付かされました。

 来週のこのコラムは夏季休暇でお休みさせていただきます。次回は8月24日に予定です。お楽しみに!

[今週の出会い]

 忙中閑あり。先週は楽しい会食が2度ありました。まずは、オリックスの片平聡常務、青木麻衣子さん、榎木沙耶さんと西麻布のアッピアで会食。楽しい会話と美味しい料理、お酒で盛り上がりました。
 そして、PHPの編集者、藤岡岳哉さん、大村まりさん、宇田富貴さんと銀座の玉木で会食。これから出版する予定の本をどうやって販促するかで議論が白熱!もし(万が一)映画化、TV化されたら、どの女優を起用するかで大いに意見が分かれましたが、その前にまずは本を書かなくては話になりません。束の間の夏休みは、原稿執筆に専念となりそうです。

[今週のシナ]

 シナはバブルバスにつかってきました。毛がフカフカで、気持ちいい!どこか表情も幼くなりました。
猛暑が続く最近は、夜の散歩は7時以降。暗くなってから、元気に散歩に行っています。