Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

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一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

「現場学」を研究し、強い現場づくりを目指す遠藤研究室を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.360 1498の知恵

[2017-10-02]

 このコラムでも何度かご紹介しているように、ここ数年ソシオークグループの現場力強化研修に携わっています。ソシオークは給食事業、子育て支援事業、運行管理事業などを営む会社ですが、「現場が主役」の会社です。その現場をもっともっと活性化させ、たくましく鍛え、会社の競争力の柱にしようというのがこの研修の狙いです。
 そうした取り組みの一環として、現場での自主的な改善活動をボトムアップで展開しています。「現場力向上取り組み報告書」が各現場から本社に寄せられ、それらを社長をはじめとする役員、幹部が丹念に目を通し、優れた取り組みは年に2度の全社集会で表彰されます。
 昨年度は1年間で約3000件もの改善報告書が寄せられました。そのレベルや質も着実に高まっています。
 私も毎回審査委員のひとりとして参加しています。2017年度上期には、1498件もの報告書が寄せられました。まさに「1498の現場の知恵」です。それらを事務局が1件ずつ精査し、124件にまで絞り込みました。
 私にはこの124件の報告書が送られてきて、その中から「これは秀逸!」と思うものを10件選びます。そして、社長をはじめとする幹部陣と私が集まり、それぞれの意見を述べ、全社集会でプレゼンしてもらう10件を慎重に選びます。
 ここで選ばれた候補作は10月28日の全社集会でプレゼンを行います。そして、グランプリなど優秀作が決定されるのです。
 124件の報告書に目を通して、「この取り組みは着実に進化しているな」と感じる点が3つありました。ひとつ目は「全員参加型」への進化です。これまでの取り組みの多くは、社員の皆さんが中心になって改善を行っていました。しかし、最近はパートさんなど現場で働くみんなを巻き込んで改善を行うケースが増えています。実は色々な問題に気付き、「こうしたほうがいいのに・・・」とアイデアを持っているのはパートさんたちなのです。
 二つ目は「業績直結型」への進化です。改善は作業の見直し、環境の改善など、足元の小さな改善からスタートするのが基本です。最初から大きなことを狙っても、なかなか思うような効果は上げられません。
 しかし、足元の改善ができるようになると、今度は現場のコストを見直したり、売上を増やすような工夫ができるようになります。それらの改善は現場が楽になるだけでなく、会社の業績に直結するようになっていきます。ソシオークでもそうした改善が増えてきています。
 そして、三つ目は「広域連携型」への進化です。改善はそれぞれの現場で閉じて行われます。しかし、同じような問題を抱えている、もしくは現場同士が連携しないと解決できないような問題も出てきます。
 そうした問題は本社と現場が連携したり、現場同士がつながって、工夫することによって、大きな改善に結びつく可能性があります。こうした改善はまだまだ少数ですが、これからは視野を広げて、「大きな改善」を目指してほしいと思っています。
 たかが改善、されど改善。改善こそが現場力を高める唯一絶対の方法論だと私は信じています。10月28日の力作のプレゼンが今から楽しみです!

[今週の出会い]

 福岡出張の際にお土産として購入したのが、伊都きんぐの「博多あまび」。糸島産のあまおう苺を使用したわらび餅です。練乳ソースとキナコをつけて食べます。これがなんとも絶妙の味!
 謳い文句は「切なくなる味」。自己主張しすぎず、でもしっかり存在感のあるスイーツです。

[今週のシナ]

 トイレットペーパーの芯を持ち出し、お遊び中のシナです。「さあ、これをとってみろ!」と威嚇して、楽しんでいます。もう落ち着いていい年齢なのですが、「遊び心」は衰えません。お付き合いして、一緒に遊ぶのが大変です・・・。