Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.362 ドラえもんのポケット

[2017-10-16]

 「北海道開拓おかき」「バウムクーヘン妖精の森」などのスイーツで人気の高い北菓楼の堀安規良社長と雑誌『理念と経営』の企画で対談させていただきました。
 北菓楼は対談の翌日に「カンブリア宮殿」でも紹介され、今や全国区の人気を誇る有名スイーツブランドです。実は、私は以前から北菓楼の大ファンで、毎月の北海道出張の際には、必ず新千歳空港の店でお土産として購入しています。
 お会いした堀社長は実に穏やかで謙虚な方で、「こうした方が社長を務めている会社だから、あんなに美味しいスイーツができるんだなあ」と大いに納得しました。
 北菓楼の原点は、堀社長のお父様が砂川で営まれていた個人商店のせんべい屋さん。地元では「堀せんべい」として絶大な人気を誇っていたそうです。
 1981年に武田薬品に勤めておられた堀社長がお兄さんとともに堀製菓に入社。1986年に「夕張メロンピュアゼリー」という大ヒット商品を世に送り出します。
 さらに1991年に北菓楼を設立し、直接販売に乗り出しました。日持ちのする土産菓子ではなく、北海道の原料にこだわった美味しい生菓子を提供するようになりました。
 2016年には札幌市内の旧文書館別館という歴史的建造物を修復・改築し、北菓楼札幌本館をオープン。この設計は安藤忠雄さんが手掛けています。
 グループ全体の売上高は100億円を突破。チョコレートの新工場を計画するなど、堀社長のチャレンジングスピリットは留まることを知りません。
 堀社長はお父様の考えをいまだに大切にし、日々の糧にされています。対談の中でも、たくさんの「教え」を伝授していただきました。「人の倍働け」「朝が一番大事」「頭を下げろ」「人生一回、好きなことをやれ」「お金を残しちゃダメ」「社員にやさしくしたら必ず戻ってくる」「なかよしが最高の財産」・・・。
 とりわけ、社員を大事にする姿勢には感銘しました。堀社長のポケットは「ドラえもんのポケット」と呼ばれているそうです。ポケットの中にはいつも甘いお菓子が入っていて、工場やお店などの現場を回る際に、社員たちに声をかけ、お菓子を手渡すそうです。
 社員たちは、その瞬間、みんな最高の笑顔になる。その貴重な笑顔を見て、堀社長は感謝と励ましの言葉をかけるそうです。これでよい現場にならないはずがありません。

 とはいえ、その過程ではご苦労もあったとのこと。北菓楼などを傘下に置くHORIグループでは毎年の忘年会で翌年の「クレド」を全社員に配布します。この小さな冊子には会社の理念や方針、経営目標などが書かれているのですが、最初に「クレド」を配った時には、多くの社員たちが忘年会の会場にこの冊子を置きっぱなしにして帰ったそうです。
 「クレド」を配れば、会社がひとつになるわけではありません。毎日毎日の努力の積み重ねによってのみ、社長と社員の距離は縮まるのです。今では置いていく社員は誰もいません。とても大切なことを教えてくれた対談となりました。

[今週の出会い]

 堀社長と対談させていただいた数日後、北海道出張の帰りに北菓楼の10月限定スイートポテトバウムクーヘンを購入しました。しっとりした触感とスイートポテトのやさしい甘さが後を引く逸品です。
 若い店員さんが「他のお店で買い物されますか?それなら大きめの紙袋に入れましょう」と大きい紙袋を用意してくれました。こうした気遣いが素晴らしい!社長の姿勢がそのまま現場に現れています。

[今週のシナ]

 ハロウィーンの帽子を乗せられ、怪訝そうな顔をするシナです。若い人たちはハロウィーンで大騒ぎですが、シナにとってはいい迷惑です・・・。秋晴れの中、毎日の散歩を楽しんでいます!